火災で焼損した世界最古の漆製副葬品が修復
update 2005/4/5 11:37
2002年12月の南茅部埋蔵文化財調査団事務所火災で焼損した、世界最古とされる漆製品の一部(左肩当て)が函館市教委によって修復された。
漆を染みこませた繊維を編んで作られたとみられる縄文時代早期(約9000年前)の副葬品。2000年に同市臼尻町の垣ノ島B遺跡から、髪飾りなど、身に付ける装飾具6点が出土した。このうち5点は完全に焼失し、左肩当てが破片となって回収されていた。
北海道考古学会から同調査団に贈られた義援金30万円を活用し、市町村合併前の03年から、旧南茅部町教委と道教委、奈良文化財研究所が共同で分析、修復作業を進めていた。分析結果で漆成分の残存が判明し、成分が3層に分かれていることから高度な技術で作られていることが明らかになっている。
肩当ての大きさは長さ約30センチ、幅約10センチ。残存部分をつなぎ、焼失した中央部には樹脂を流し込んで形状を再現。周囲に付着した土を含めて修復された。今後は耐火金庫で保管される。市教委は「失われた部分は大きいが、形を残すことができた。いずれ特別展などで展示することも考えていきたい」と話している。
提供 - 函館新聞社
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