函館少年刑務所新独居棟 4月から使用開始/収容定員96人増
update 2005/4/1 10:32
受刑者の収容率緩和を狙い、増築した函館少年刑務所(桶作征二所長)の新独居棟が、4月から使用開始となる。定員が838人から934人に増える一方、本州からの移送者で大半が埋まる可能性も高く、飽和状態の解消には早くも黄信号がともる。自殺や集団感染などの問題を防止できる収容環境の確保も含め、処遇の「新体制」に注目が集まりそうだ。
1987年に着手し本年度、完了する全体改築工事の一環。講堂や職業訓練棟の増改築も合わせて実施されており、今年秋をめどに完工する。
独居棟は昨年7月に着工し、今年3月15日に完成した。鉄骨コンクリート造り3階建てで、各階に32室ずつ配置。建物周辺の整地後、使用を始める予定で、定員は96人増となる。
同刑務所は一昨年、収容率130%となる1037人を記録した。以来、他施設からの受け入れを断るなどし改善に努めてきたが、3月29日現在、927人(122%)と依然厳しい状況は続く。ピーク時には独居房に2人を収容したり、一時的に教室や集会室に仮の鉄格子を設けるなどの“自転車操業”を迫られているのが現状。さらに関東方面からの移送も予定され、影響は看過できない。
前年度、同刑務所内で収容者2人が相次いで自殺したほか、札幌刑務所(札幌市)では、受刑者約100人が皮膚病に集団感染するなど、施設が抱える課題も少なくない。
函館少年刑務所総務課は「すし詰めでは、受刑者に悪影響を与えてしまう。独居棟の新設を機に、処遇環境の良化を図りたい」としている。
提供 - 函館新聞社
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