市埋蔵文化財事業団があすから道内初のNPO法人化
update 2005/3/31 10:14
函館市埋蔵文化財事業団が4月1日から、特定非営利活動法人(NPO法人)に移行する。遺跡発掘調査を主体とする組織の法人化は道内初。全国でも珍しく、今後はモデルケースとして注目されそうだ。佐藤一夫理事長(64)は「縄文文化の情報発信拠点として、教育への普及と地域振興に貢献したい」と話している。
国道278号改良工事により、大規模化する発掘調査を円滑に進めるともに、遺跡を活用したまちづくりの推進が狙い。同事業団は任意団体の南茅部埋蔵文化財調査団が前身で、市町村合併を機に法人化を目指し、昨年11月に発足。同月、道に法人設立の認証を申請し、2月に認可され、登記を済ませた。
世界最古とされる漆塗りの副葬品や国指定重要文化財「中空土偶」など、同地域では貴重な文化財が多く発掘されている。89カ所ある遺跡は合併後、市全体で316カ所となり、同事業団の役割はさらに高まる見込み。インターネット上での遺跡情報公開をはじめ、市教委や教育機関と連携し、小中学生向けの体験学習や出前講座、講演会を開くなど、活動範囲を広げる考え。佐藤理事長は「国民共有の文化財を子孫に残すだけでなく、教育にも生かせれば」と意欲を語る。
事業団の職員は理事長を含めて5人。佐藤理事長は函館市出身で、苫小牧博物館館長や勇払資料館(胆振管内)館長などを歴任。調査員の一人として現場で発掘調査に携わる。作業所は函館臼尻小学校のプール跡(函館市臼尻町)に新設され、同4日に開所式が行われる。
同事業団との連携について、市教委は「民間レベルの活動が広がることで行政の力になってもらい、一層の地域貢献につながるのでは」と期待を寄せている。
提供 - 函館新聞社
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