あすJT函館工場閉鎖、市の製造品出荷額3分の1消失

update 2005/3/30 09:24

 日本たばこ産業(JT)函館工場(函館市桔梗町)が31日に閉鎖される。関連会社を含め140人の雇用先が失われる上、跡地の売却も先になるもよう。函館の製造品出荷額の3分の1が消失するダメージも大きく、地元経済に残すつめ跡は当面、癒えそうもない。

 140人は早期退職者で、平均年齢は40代後半。仕事探しも容易ではない。函館公共職業安定所によると、事前説明会が開かれた17日時点で、再就職が決まったのは1人だけ。同職安は2003年8月の函館西武閉店以来の大量離職者発生に、「手厚いケアが必要」と、4月に臨時相談会を開くなど、対策を急ぐ。

 敷地面積11万3000平方メートルにも上る跡地も、先行きは不透明だ。JTは「まず地元自治体に買い取り意向を伺ってから、民間への入札などを考える」と説明。打診時期については「工場の残務処理が終わる3カ月先になる」というが、市が売却に応じる姿勢はみられない。大手流通業の出店話も浮上したが、とん挫。ある道内企業が進出する動きもあるが、実現するには時間が掛かる見通しで、函館西武のような遊休化も懸念される。

 さらに深刻なのは、函館の製造業出荷額の落ち込みだ。年間2781億円のうち、JTの製品「たばこ」は推計1000億円を占める。たった一つの工場閉鎖により約35%が消える計算で、市幹部は「取引先のほとんどが函館企業ではないので、直接的な影響は少ないが、心理面のインパクトは大きい」と漏らす。

 西武や三越の閉店が相次ぎ、棒二森屋も売却対象に浮上するなど、大手流通業の撤退ムードが漂う函館。製造業のJTが閉鎖したことで、他業種の有力企業にも波及しかねない情勢。地元経済関係者の不安は尽きない。

提供 - 函館新聞社



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