海の生態科学館基本構想案まとまる/5月めどに成案化の意向
update 2005/3/29 10:08
函館市の「海の生態科学館基本構想案」がまとまり、28日の市議会総務常任委員会(阿部善一委員長)で示された。娯楽型施設ではなく、地元の子どもたちが道南の海や川を学ぶ、体験型の社会教育施設とすることを明記。同委員会での審議や市民説明会での議論を踏まえ、市は5月をめどに成案化し、基本計画の策定に取り組みたい意向。
函館市水族館建設基本構想策定委員会(桜井泰憲会長、委員15人)が、1月28日の第9回会合までにまとめた素案を基に市が策定した。
新函館市において、都市化が進む地域と漁業主体地域が交流し、一体感の醸成を図る施設として必要性を強調。
建設費は約30億円。3つの水槽を組み合わせて函館周辺の海に生息する生物を飼育展示する。個別水槽では、産卵行動やふ化した稚魚の展示、増養殖研究が進むウナギ、マツカワなどの展示を行う。実験室やセミナールームも設ける。
館外でのフィールド活動としてイルカ・ホエールウオッチング、ダイビング体験、磯部の生物観察会なども行う。
事業収支見通しでは、人件費・水道光熱費・保守管理費などの年間支出を約1億9000万円とした場合、開館15年で累計10億8000万円の赤字が生じると推計。入館者数は初年度が24万人で、15年目では13万人とみている。
同日の委員会は、概略的な質問と委員からの資料要求で閉会。「市民説明会が2回では少ない」「旧4町村への説明はどうするのか」と質問があり、工藤寿樹企画部長は「市民説明会を開いてから検討したい」と答えた。「社会教育施設だから赤字は仕方ない、という考え方はおかしい」との指摘もあり、同構想案を基に今後、活発な議論が展開される見通し。(吉良 敦)
提供 - 函館新聞社
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