地価公示、市住宅地7年連続下落

update 2005/3/24 11:02

 国土交通省は23日、公示地価を発表した。渡島管内の1平方メートル当たりの平均地価(5万6000円)は14年連続で下がった。下落率は4・3%で前年より0・2ポイント縮小したが、1972(昭和47)年の調査開始以来3番目の高さだった。函館市では、下落率が郊外で縮小したが、中心部で拡大した。管内9市町の計104地点を対象に、今年1月1日現在の価格を調べた。標準地の変更があった4地点を除く、すべての地点で下落した。(14面に道南の地価公示価格一覧、15面に関連記事)

 ■住宅地

 平均価格は4万5400円。7年連続で下がった。下落率は0・4ポイント増の4・3%で、75(同52)年以来最も高かった。

 函館市では6万100円。下落率は4・7%と7年連続で下がった。前年より0・2ポイント拡大した下落幅は、利便性の高い中心部などでは縮小したが、市の東部(西旭岡町、日吉町など)や西部(旭町)では拡大した。

 市周辺3町(上磯、大野、七飯)も前年を下回った。その他の5町でも下落した。

 下落率1位は8・2%の函館市西旭岡町2―19―10。地価1位は8万4500円の函館市本町29―11。

 ■商業地

 平均価格は8万7900円。下落率は4・1%。14年連続のマイナスだが、前年より1・7ポイント小さくなった。

 函館市は9万6800円。最高値をつけた92年(49万8800円)の約5分の1まで下がった。調査開始以来初めて10万円台を切った。本町など中心部の下落が目立ち、下落率は最大8・2%(函館市本町11―12)だった。地価1位は函館市本町32―13の37万円。

 渡島支庁は景気低迷のほか、郊外の大型店に客足が向かったことなどが影響したとみる。ただ、「JR函館駅前の整備が進み、(その周辺の)若松、松風町では下落幅が縮小した」とする。

 【桧山】桧山管内の平均地価(3万200円)も5年連続で下がった。下落率は前年より0・4ポイント増の3・7%だった。

 管内3町の計9地点を対象に価格を調べた。9地点すべてで下落した。

 ■住宅地

 平均価格は2万4600円。3年連続で下がった。下落率は3・4%。前年より0・9ポイント大きくなった。

 下落率1位は北桧山町北桧山159―8。前年比4・5%減の1万4900円だった。

 桧山支庁は「住環境の選別化が進み、住宅地の需要が減少している」とみている。

 ■商業地

 平均価格は4万1400円。5年連続で下がった。下落率は4・3%。前年より1・1ポイント小さくなった。

 同支庁は「経済基盤が弱体化しており、土地取得の意欲が減退している」と分析する。

〈公示地価〉地価公示法に基づき国交省の土地鑑定委員会が、都市計画区域内に設定した標準地の毎年1月1日現在の1平方メートル当たりの価格を、周辺の取引事例や土地から得られる収益などによって鑑定評価し、公表する。一般の土地取引や相続税、国定資産税評価の目安、公共事業の用地買収の価格決定の指標などとして使われる。

提供 - 函館新聞社



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