函館大火を教訓に、市消防が烈風下訓練

update 2005/3/22 09:57

 1934年3月21日午後6時53分。函館市住吉町91で上がった火の手は、強い風にあおられ、次々と隣家に燃え移った。焼失面積は、市内のおよそ3分の1。死者2166人を出した「函館大火」から71年の時が流れた―。

 大火を教訓とし、大規模災害による被災を最小限に抑えるため、市消防本部は21日、同市千歳町の若松広路で「烈風下火災消防訓練」を行った。参加者は消防職員と団員、地域住民ら約140人。火災時の連携体制をあらためて確認することで、防火意識の向上を図った。

 同町付近で火事が発生し、折からの強風で南西に燃え広がる可能性が高い―との想定で訓練を実施。地域住民を一時、安全な場所に避難誘導した後、有志がバケツリレーで炎上中の建物の初期消火に当たった。

 続いて、消防車とポンプ車計14台が一斉放水。同広路沿いに延焼阻止線「水の壁」を設置し、飛び火を食い止めて、被害の拡大を防いだ。

 訓練終了後、同本部の小西克男消防長は「2度と函館大火の惨劇を繰り返さないためにも、訓練を重ねる意味は大きい」とし、「地域との協力関係を強め、『防火の礎』を作り上げていきたい」と語気を強めた。

提供 - 函館新聞社



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