函館大火を忘れない…72回忌殉難者慰霊法要で犠牲者の冥福祈る
update 2005/3/22 09:57
函館大火から72回忌(71周年)を迎えた21日、同市大森町の函館大火慰霊堂で殉難者慰霊法要(市仏教会主催)が開かれた。堂内の遺族らはさまざまな思いが去来する中、犠牲者の冥福を祈り、惨事が再び起こることがないようにと願いを込めていた。
1934年に発生した大火は10万2001人の被害者を生み出し、2166人もの尊い命を奪った。死者の霊を追悼する目的で38年、最大の被災地域となった大森橋近くに同慰霊堂を建立。死者のうち身元不明者679人も無縁仏として納骨している。
法要は同午前9時から執り行われ、遺族や市職員ら約70人が参列。僧侶たちの読経が響く中、焼香をした。
大火後の変わり果てた町並みをパネル展示したコーナー前では、涙を浮かべ見入る人も。時の流れとは無情に、いまだ絶えない悲しみが堂内を静かに包んでいた。
市内日吉町2に住む無職の女性は、10歳の時、大火で親類4人を亡くしたという。「わたしが生きている限り、毎年、献花し続けたい」。過去を振り返り、「忘れられない思い」を言葉にしていた。
提供 - 函館新聞社
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