恵山町史本年度中に発行へ
update 2005/3/20 13:34
函館市と合併した旧恵山町の町史発刊が、町史編さん室開設から丸10年となる2005年度中に実現する見通しだ。市は新年度予算に発刊費983万円を計上。開設当初から編集長として携わる近堂俊行さん(69)は「旧恵山町の特殊性や歴史を価値あるものとして残し、将来へつなげたい」と期待している。
元小学校教諭の近堂さんは旧恵山町の歴史にまつわる民話集の執筆などを機に、町史編さんの依頼を受けた。昨年12月の合併前から発行に向け作業を進めていたが、財政悪化などで予算確保が難しく先送りとなっていた。
発刊は“町消失後”となったが、近堂さんは「旧町民の郷土愛をはぐくみ、資料としてこれからの行政に役立てられる」と役割を強調する。
旧町は1964(昭和39)年に「尻岸内町」として町制施行し、85(同61)年に町名を「恵山町」に変更。旧尻岸内町は70(同45)年、約1300ページの町史を発行している。町の変遷をつづった尻岸内町史に比べ、恵山町史は同町史を再構築し、先史・自然・産業など各項目別に分けてまとめられる。
特徴として挙げられるのは、意外と知られていない鉱山の歴史を詳述している点。旧町内では1902(明治35)年から18(大正7)年ごろにかけて硫黄採掘が盛んで、函館の金属・機械工業をも発展させ、漁業以外で函館と接点があったことが記されている。このほか恵山貝塚、に象徴される続縄文文化や、標高618メートルで60種類もの高山植物が生育する特異な活火山・恵山や、寒流と暖流が交わる海の特色など、自然と人との歴史などにも触れる。
地質・水産・植物・鳥類・先史にかかわる執筆は各専門家に依頼し、学術的な内容という。資料収集、執筆はほぼ終えている。町史は全1巻で1000ページ程度を見込んでおり、データベース化についても今後検討する方針。
提供 - 函館新聞社
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