市議会予算委/熱帯植物園の温室改修法調査へ

update 2005/3/18 09:29

 函館市議会第1回定例会は17日、予算特別委員会(岩谷正信委員長)での審議を続行。ガラス温室の老朽化が進む市営熱帯植物園(湯川町3)について、斉藤真博水道局管理部長は「2005年度中に温室の改修方法を含めた在り方を調査したい」と述べ、存続を前提に改善を図る方針を明らかにした。

 小山直子氏(民主・市民ネット)の質問に答えた。

 同植物園は1970(昭和45)年に開園。海浜部に位置することから、塩害等による腐食が激しい。特にガラス温室は抜本的な見直しが必要とされ、01年に耐震診断、02年に劣化診断が行われている。同温室は鉄骨造りガラス張りで、延べ面積1741平方メートル。診断結果では温室の中心に位置する大温室は軽微な補修で済むが、大温室に付設した「翼温室」は棟全体の改修が必要とされている。斉藤部長は「工法や規模なども検討する」と述べ、さまざまな観点から調査する。

 同局は、形状を変えず、耐震補強を含めた改修の概算工事費は約6億円となり、財政上実施は困難と判断。一方でNPO法人に運営を委託したリニューアルオープン(2003年)以降、無料入園者を含め、年間約10万人の利用があることから、当面は必要最小限の補修で温室を存続させることとしていた。

 このほか、樋口廣文氏(南かやべ議員団)は「景観法に基づく景観行政団体になると、これまでの景観行政とどう変化し、どのようなメリットがあるか」とただした。野々宮勇都市建設部長は「強制力のある条例を定めることで、地域の景観特性を踏まえた形態・意匠が規制でき、変更命令も可能になるなど、独自の景観行政が推進できる」と答えた。

 同法では景観計画策定などを実施する団体として「景観行政団体」を規定。政令指定都市、中核市は自動的に指定される。同市はことし10月に中核市指定を目指している。

 それまでに4支所の景観構成要素を把握した上で、地域の景観特性を踏まえた規制内容や、地域住民らとの合意形成手法などを検討。10月以降は市民や審議会、議会に意見を求め、景観形成の方針を定める。さらに、06年中をめどに都市景観条例を同法に基づく条例に改正する方針。

提供 - 函館新聞社



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