写真家の野呂さんら製作、「日々の風景」最終編出版
update 2005/3/18 09:28
「日本語と色の風景」シリーズ(全10巻)の最終編「日々の風景」がこのほど、青菁社(京都市)から発行された。いずれも函館市在住で、写真工房代表の写真家、野呂希一さん(56)とコピーライター、荒井和生(わこう)さん(45)、デザイナーの敦賀浩さん(47)が制作。日本古来から伝わる文字や言葉、日々うつろう情景などにふさわしい言葉を写真と文で紡いだ、味わい深い1冊だ。
同シリーズは野呂さんの発案で、6年ほど前から着手。文字から浮かぶ光景を写真で収め、文章をつづった「文字の風景」から始まり、やがて言葉や色、暦とテーマは膨らんだ。
今回の「日々の風景」では、野呂さんは函館や道南をはじめ、全国各地を旅して撮影した写真をふんだんに活用。荒井さんが時事通信社に「ことばの四季」というタイトルで寄稿したコラム(2003年1月1日―同12月31)をまとめた。
「新玉」(1月1日)、「朧(おぼろ)」(3月13日)などその日にふさわしい言葉を、語源や逸話を紹介しながらやわらかなタッチで淡々とつづっており、野呂さんがとらえた美しい風景や草花が彩りをそえている。
荒井さんは「写真の絵解きや辞書のような断定的な説明は避けるようにした。絵と写真から読者のイメージが生まれるように意識した」と話す。一度に熟読するのも良いが、日付に合わせて読んだり、手元において気のむくままに見るのも一興だ。
野呂さんは「文字や言葉を見つめ直すと奥が深く、1冊ではまとまらなかった。ひとまず完結とするが道半ばという気持ち。むしろこれからがスタートという気持ちで、違った切り口でこのテーマを続けていきたい」と野呂さんは話している。
A5判、206ページ。オールカラー2800円。問い合わせは最寄りの書店か同社TEL075・721・5755。
提供 - 函館新聞社
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