児童虐待通告、過去10年で最多

update 2005/3/17 12:17

 渡島・桧山管内で本年度、児童虐待の疑いがあるとして通告された件数が、2月末で昨年度総数を超えていて、過去10年間でも最多となったことが函館児童相談所(豊島弘所長)のまとめで分かった。豊島所長は「児童虐待事件の報道などで関心が高まり、通告につながっているのでは」とみている。

 2月末現在、同相談所に寄せられた通告件数は94件で、昨年度1年間の67件を上回っている。中でも知人・近隣からの通告が22件と多かった。このうち、虐待があったと認められた受理数は43件で、過去10年間で最多だった2002年度の48件に迫っている。

 受理数でみると、ネグレクト(育児放棄)が24件と最も多く、次いで身体的虐待が16件。ネグレクトは食事や着替をさせないほかに、「さまざまながケースがあり、範囲が広い」(同相談所)。2000年の児童虐待防止法施行により、虐待の分類が定義づけられたことで顕在化したという。

 虐待の対象は小学生19件、3歳から就学前17件の順で、虐待者の9割は実母の39件で、実父は2件だった。受理後の対応では34件が面接指導となったほか、施設入所、里親等委託のケースもあった。

 昨年10月に施行された改正児童虐待防止法で、通告義務の範囲が「虐待を受けた児童を発見した者」から「虐待を受けたと“思われる”児童を発見した者」へ拡大。同相談所では法改正も件数増加の一因とみている。同相談所は「虐待でない場合もあるが、疑わしいと思う場合でも通告してもらえれば」と話している。

提供 - 函館新聞社



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