交史研究会考古学論集「海と考古学」に横山さんの焼き畑論文が掲載

update 2005/3/8 10:43

 北海道の焼き畑農業のルーツを研究する函館市在住の元北大講師、横山英介さん(62)=北海道考古学研究所主宰=の研究論文が、このほど海交史研究会考古学論集刊行会が編集した献呈論集「海と考古学」(六一書房・東京)に掲載された。「焼畑の考古学」と題して27ページにわたり、道内の畑跡を分析、調査をした結果をまとめている。

 同論集は、筑波大学の前田潮教授が3月末で退官するのに合わせ、教え子や研究仲間ら25人が寄稿。横山さんは1991年に前田教授とともにサハリンで遺跡調査をした経緯から親交を深め、同教授の要請に応え、寄稿した。

 考古学が専門の横山さんは1997年から本格的に道内の焼き畑の研究に取り組み、17世紀以前から道内で焼き畑農業が行われていたかどうかの実証を進めている。

 これまで八雲町や森町、上磯町など渡島一帯の畑跡とみられる遺跡を発掘、調査。1640年に大噴火した駒ケ岳の火山灰層の下から発見された幅広いうねの形成跡を重点的に調べ、フロテーション法と呼ばれる浮游選別法(土を乾燥させた後、水に入れ浮いた炭化物を測定する)で土壌分析し、土中に含まれる炭化物の量で立証を進めてきた。

 横山さんは「遺跡の土には周辺の土よりも炭化物の量が多く、火を入れたことによるものと推測される。焼き畑農業が行われた有力証拠」と話す。今後の課題は栽培作物の特定で「今後は栽培種が発見に努めて慎重な調査を進めたい」としている。

 論集はA4判、426ページで、定価は8400円。論集の問い合わせはTEL03・5281・6161

提供 - 函館新聞社



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