統計調査、「プライバシー」で困難に
update 2005/3/7 10:16
各種統計調査が年々、難しくなっている。プライバシーを理由に協力を拒否したり、売り上げ低迷で事業所などが懐具合を明らかにすることを拒んだりするケースが増えているためだ。ことし10月には、5年に1度の国勢調査を控えており、函館市は「全国一斉の重要な調査で、ぜひ協力してほしい」と話している。
統計調査には、事業所・企業統計調査(5年に1回)、商業統計調査(同)、サービス業基本調査(同)、国勢調査(同)、工業統計調査(毎年)などがあり、国、道、市を主体に実施される。「年によるが、調査回数は年3―4回」(市総務課)で、市の調査員(305人)らが各世帯・事業所を回ってデータを集める。
市によると、調査を拒む理由の多くは「プライバシー」だが、「アンケートの字が小さく、記入が大変という高齢者も増えてきた」(同)。景気が悪くなるにつれ、「忙しい」と、断る事業所も目立ってきたという。また、「振り込め詐欺」の影響か、「本当に調査をやっているのか」と、確認の電話が担当係に入ることも少なくない。
調査員は「調査証」を掲げて各世帯などを回るが、「最近は調査証をもっとよく見せてと言われることがある」と調査員歴約20年の女性(54)。今年で調査員歴36年目という女性(66)は、「マンションなどではインターホン越しに会話することが多く、なかなか玄関の扉を開けてくれない。昔より警戒されている」と話す。
市は「精度の高い調査とするには、大勢の方の協力が不可欠」とし、各種調査への協力を呼び掛けている。(吉良 敦)
提供 - 函館新聞社
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