大雪明暗くっきり/スキー場満足、ゴルフ場困惑

update 2005/3/5 11:37

 函館・道南で「雪が多く寒い冬」となっていることから、函館や近郊のスキー場では利用が伸び、期間延長を決めるスキー場もあるなど大雪の“恩恵”を受けている。一方、オープン準備に当たるゴルフ場では依然積雪が50センチ以上を超えるコースが多く、融雪剤散布などの作業が進まずオープン日延期を決めたり、めどが立たないコースもあるなど、雪と冷え込みに悩まされている。シーズンの追い込み利用に期待するスキー場と、雪解けが早く進み春の訪れに期待するゴルフ場で“明暗”を分けている。(原山知寿子・浜田孝輔)

 ニヤマ高原スキー場(七飯町仁山)は当初今月21日までの営業を予定していたが、4月3日までの延長を決定。「暖冬の長期予報で当初は苦戦を覚悟していたが、オープン以降は人工降雪機を使わずにゲレンデを確保している」と、思わぬ大雪に喜ぶ。

 “冬らしい冬”が利用の伸びも後押し。先月末時点のリフト輸送人員は昨年の同時期を約10万人上回る35万人を突破。特に平日のナイターが好調で、仕事帰りにスーツ姿で来場する人もおり、1日平均で約200人以上を数えるという。

 函館横津岳スキー場(七飯町大中山)の積雪量も、4日現在で例年より40センチ以上多い265センチ。「雪質も真冬並みのパウダースノーでスキーヤーからも好評」と胸を張る。営業終了は4月3日を予定していたが、10日までの延長も検討しており、3日には滑降大会も復活開催する。

 函館七飯スキー場(七飯町東大沼)はオープン当初の利用客が、例年の1割程度に伸び悩んだが、2月から前年並みに盛り返した。今月27日の営業終了までの来場増に期待を寄せる。また、グリーンピア大沼スキー場(森町赤井川)は14日まで営業。12日から14日までは感謝デーとして、リフト1日券と温泉入浴券のお得なセットを用意し、追い込みの利用に期待している。

 一方で、ゴルフ場関係者の表情は曇りがち。北海道カントリークラブ(七飯町西大沼)では4日現在、積雪が約80センチ。「例年よりも10―20センチほど多い」という。コースは一面雪野原で、ホール番号や順路などを示す案内板なども、多くは雪に覆われたままだ。

 昨年の台風で倒れた木の除去作業に当たっており、14日から融雪剤散布を進める予定だが、「今後の天気予報でも寒さが続きそうなので心配」と困惑気味。「昨年と同時期の4月9日のオープン予定日には何とか間に合わせたいが…」と話す。

 函館シーサイドカントリークラブ(函館市豊原町)では、当初昨年と同じ時期の今月20日のオープンを予定していた。だが、「現在のままでは見通しは厳しい。何とか今月中にオープンさせたい」と延期も検討している。

 今月に入って融雪剤の散布に入ったが、低温傾向でもあることから、順調には進んでいない。通常だとコースの一部に芝が見える時期だが、ほとんど雪に覆われ、駐車場やクラブハウス周辺の雪も多いという。ゴルファーからオープン日の問い合わせも寄せられているが、「事情を説明して改めて問い合わせていただくようにしている」と対応に悩んでいる。

 アンビックス函館倶楽部上磯ゴルフコース(上磯町柳沢)では、オープン予定日を昨年より1週間遅い4月9日に延期した。「雪が多い事情を理解しているので問い合わせはあまりない」としているが、予定通りのオープンに向けて5日から融雪剤散布を始めるなど、急ピッチでコース準備を進める。

提供 - 函館新聞社



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