函館のホテルや旅館、新幹線開業見据え進出・改築ブーム
update 2005/3/2 10:47
函館のホテル・旅館業界が、進出・改築ブームを迎えている。北海道新幹線の着工を見据えた大手チェーンの新設や、客の高級志向に合わせた改装が相次いでいるためで、平成に入ってから2度目のブーム到来。ただ、競争も激化しており、施設間の格差が広がっている。
日本銀行函館支店が、市や市立函館保健所の統計などをまとめ、明らかにした。それによると、客室数の推移は、90(平成2)年度に7145室と底を打った後、第1次ブームに突入。96年度まで右肩上がりを続けた。97年度から2001年度まで8700―8900台で落ち着いていたが、02年度から再び急増。04年度は12月末で9290室に上り、89(平成元)年度以降では過去最高となっている。
同支店は@年間530万人来函する観光客のうち、6割が宿泊するA大手企業が函館の拠点を撤退し、「支店経済」から「出張経済」に転換した―など、潜在需要の高さを強調。「大手の進出は北海道新幹線の整備など中長期的な展望が明るいことが背景にあり、建設ラッシュにつながっている」とみている。既存ホテルの改修については、「湯の川方面が中心で、団体から個人にシフトするニーズへの対応」と分析。露天風呂を客室に設置するなど、収益力強化を図っているという。
函館では、採算性の低い宴会場やレストランを設けない「宿泊特化型ホテル」が市街でシェア(市場占有率)を伸ばすなど、施設間の客の争奪戦はし烈。一方で老舗旅館が倒産・廃業に追い込まれるケースも目立っており、「沖縄ブームや愛知万博の開催などで、函館のパイの拡大は期待しにくい環境。業界の淘汰(とうた)や再編は進みつつある」と懸念している。
提供 - 函館新聞社
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