ヒグマ対策協、ハンター育成に重点

update 2005/2/24 10:27

 【七飯】渡島半島ヒグマ対策渡島地区協議会の幹事会が23日、七飯町の大沼国際セミナーハウスで開かれた。昨年までの「春季管理捕獲」に代わり、今春からはヒグマ対策の人材育成を図る目的の「人材育成のための捕獲」を行うとする、道の方針が示された。

 減少するハンターを育て、危機管理体制の充実を図るのが目的で、計画期間は3年間。捕獲経験の少ないハンターが習熟者とともに、3月中旬―5月上旬に入山する。捕獲上限数はメス10頭、オス39頭で春季管理捕獲と同じ。

 会合には、渡島管内の自治体の担当者ら約35人が出席。道猟友会は、1人1頭とした捕獲頭数について、「ベテランハンターが捕った場合、そのベテランはその日以降入山できなくなる。初心者を連れて歩くので、われわれが安全に活動できるようにしてほしい」と、捕獲数の増加を求めた。

 春季管理捕獲は、ヒグマによる人間や農作物への被害を防ぐのが目的だが、1990年に廃止された「春グマ駆除」のように無制限に捕るのではなく、個体群の存続も視野に捕獲の上限数を定めている。しかし、捕獲数は実施した3年間で計25頭と、上限の2割にも達しなかったため、道は「明確な効果を確認できず、労力の割には効率的ではない」と判断した。

 ただ、ハンターの人手不足や高齢化が課題に上がっており、春季の捕獲は、ヒグマの活動が活発になる夏から秋に備えた「技術を習熟する絶好の機会」ととらえ、「人材育成のための捕獲」を実施することにした。

 道は、24日に江差町で開かれる協議会で檜山管内の関係者の意見を聞き、新捕獲体制の詳細を詰める。

提供 - 函館新聞社



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