森・鷲ノ木5遺跡の環状列石現状保存

update 2005/2/18 11:04

 【森、札幌】森町内の道縦貫自動車道の建設ルート上で発見された、縄文時代後期(約4000年前)の大規模な環状列石(ストーンサークル)がある「鷲ノ木5遺跡」について、道と道教委は17日、環状列石の下にトンネルを掘って現状のまま保存することで日本道路公団と基本合意したことを発表した。

 基本合意の内容は(1)事業主体の同公団は、トンネルの工事区間を短縮して工事費を軽減する(2)道と同公団が事業連携して高速道路の建設費を軽減し、トンネル建設の財源をねん出する(3)道教委は、地元の森町と協力しながら国の史跡指定に向けた申請手続きを進める―の3項目。

 道庁内で会見した高橋はるみ知事は、「学術的にも貴重な遺跡なのでぜひとも保存したかった。道路公団の努力により道の追加負担が発生しなかったことには敬意を表したい」と関係者への感謝の気持ちを示した。

 湊美喜夫森町長は、「道縦貫道の早期開通と、環状列石の現状保存という町民の2つの願いが実現のすることは大変ありがたい。今後の遺跡の整備、活用に関しては道と慎重に協議を進めていきたい」と話した。また、遺跡の保存を訴え昨年5月に発足した森鷲ノ木ストーンサークル研究会の夏坂幸彦会長(57)は「我々の声が届いてうれしい。町の財政も厳しいのでお金をかけず、じっくり時間をかけて遺跡の保存、活用法を考えていきたい。一過性のブームにせず、町の貴重な財産として大切に守っていきたい」と話している。(小川俊之)

提供 - 函館新聞社



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