検証・函館市新年度予算(3)
update 2005/2/17 11:58
教育費は本年度当初に比べ、12・3%の伸び。総額は本年度を9億3400万円上回る85億3800万円に上り、手厚く配慮された格好だ。金山正智教育長は「厳しい財政状況で、多大な予算を付けてもらい、教育への期待が大きいと受け止めている。総力を挙げて期待に応えたい」と気を引き締める。
特別史跡五稜郭跡復元整備や、中央図書館整備、函館昭和小学校校舎改築など大型の継続事業が合わせて約10億円と、大きな割合を占める。一方で市町村合併により、旧南茅部町の遺跡発掘調査事業など各地域の事業も引き継がれた。
合併に絡み井上博司市長は、「地域間交流に配慮した」と言い切る。具体策の一つは、縄文遺跡の市民への周知と地域間交流を図る事業だ。地域の文化遺産の共有しようと遺跡の特別展「新はこだての文化財―縄文時代―」を開催する(190万円)。6月上旬から8月下旬まで、各地域で出土した遺跡を集め、市立函館博物館で展示する。金山教育長は「(遺跡は)単に保存するだけでなく、市民へのアピールが必要」としている。
このほか、縄文文化交流事業費(20万円)では、市文化財課の職員ら関係者から聴取した意見などを報告書にまとめる。縄文遺跡を生かした生涯学習と地域振興、市民や自治体の活動促進に役立てる。遺跡関連では、370万円を計上し、新たに函館空港遺跡群資料展示コーナーを開設。ショーケース6台、パネル2点を設置し、中野A、B遺跡や石倉貝塚で出土した土器や石器など100点程度を展示する。
地域間交流の側面では、函館市地域間子ども交流事業費100万円を計上。6月と8月に旧函館市と旧4町村の児童100人を集めて交流会を開き、地域の歴史や文化への理解と、交流を深める。6月は南茅部地域のふるさと文化公園でキャンプし、漁船で大謀網漁業を見学。8月はふるる函館に宿泊し、西部地区を散策する予定。
旧4町村に設けられた各教育事務所の予算は、ほぼ前年度並みに維持された。地域の事業も継続されている。今後は地域の一体化に向け、残すべき事業と統合すべき事業の選別が課題になる。縄文遺跡による地域振興や、生涯学習の活性化が図られることに期待したい。
提供 - 函館新聞社
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