中央病院で初の死体腎移植成功

update 2005/2/16 11:06

 函館中央病院(函館市本町、橋本友幸病院長)で1月22日、病死した男性から摘出された腎臓を、慢性腎不全の男性患者に移植する手術が行われた。男性患者は術後の経過も良好で回復に向かっており、15日、同病院が記者会見して発表した。同病院では生体腎移植は9例行われているが、臓器移植法に基づく死者からの腎臓移植は道南でも初めて。

 移植手術を受けたのは市内在住の郵便局職員、川口久光さん(51)。腎臓を提供したのは、1月21日に札幌市内の病院で脳血管障害で亡くなった48歳の男性。

 会見した川口さんは「腎臓を提供していただいた方、家族の方に感謝しています」と話し、「半分、あきらめていた。(提供の連絡を聞いたときは)驚いたが迷わず手術を決断した。うれしいです」と話した。

 同病院によると、男性は1月19日に1回目の脳死判定を受け、21日夕には心肺停止状態となった。腎臓は男性の家族の同意を得て提供され、札幌から函館に空輸された。

 移植手術は22日午前9時半ごろから行われ、中央病院泌尿器科の田崎雅敬医長、田辺起医長が執刀。腎臓1つを川口さんに移植し、同日午後1時過ぎに終了した。術後1週間は拒否反応などが起きる危険性があるとされているが、川口さんの容態は良好で、腎臓も正常に機能し、自力で尿が出るようになったという。回復が進めば3月ごろには退院する見通し。

 川口さんは1988年ごろから慢性の腎不全を患い、97年からは市内の別の病院で週3回の人工透析による治療を受けていた。98年に日本臓器ネットワークの待機患者に登録し、腎臓の提供者を待っていた。

 会見には川口さんと同病院秘尿器科の丹田勝敏科長、執刀した田崎、田辺両医長らが出席。丹田科長(46)は「日本は臓器移植後進国と言われている中で道内はその最たる状況。ネットワークを通じて移植ができたことは朗報。これを契機に臓器移植に対する認知が進めば」と述べた。

 同病院の腎移植は02年が3例、03年が4例、昨年が2例ですべて生体からの移植。

提供 - 函館新聞社



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