25日の定例会で「中核市」議案提出へ

update 2005/2/16 11:05

 函館市は、25日開会予定の市議会定例会に中核市指定に関する議案を提出する。道内では旭川市に次いで2市目で、10月1日の移行を目指す。福祉行政を中心に700項目の事務が道から移譲され、市民サービスの向上や独自の施策展開が期待される。地方交付税の増額といった財政的な効果も見込まれている。

 市は、15日の市議会総務、建設両常任委員会でそれぞれ中核市の概要を説明した。

 700項目のうち民生行政が最も多い406項目。社会福祉法人の設立、特別養護老人ホームの設置認可、児童福祉施設の設置認可、身体障害者手帳の交付などの権限が含まれ、事務処理時間が短縮される。

 都市計画・建設行政は132項目。屋外広告物法に基づく事務の移譲により、屋外広告物の条例による設置制限が可能となり、市の歴史的景観の保全・形成を図ることができる。

 このほか保健衛生行政66項目、環境行政79項目、文教行政11項目など。すでに委任されている項目もあり、これらを差し引くと新規項目は566項目になるという。

 小柏忠久総務部長は「自主・自立した都市としてイメージアップにつながり、市全体の活性化、経済の振興につながる」と述べた。

 両常任委では、人口減少が進む中、中核市が維持されることを不安視する声が聞かれた。

 中核市指定には国勢調査での人口30万人以上が要件の一つ。前回2000年調査では30万5311人(旧4町村分含む)だが、本年10月に実施される調査では30万人を割り込むことが予想され、市は指定を急いでいる。

 市は、市議会、道議会の議決を得た後、総務相に対して指定を申し出る。中核市指定の政令制定から約6カ月後に移行されるのが通例という。(吉良 敦)

提供 - 函館新聞社



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