議会臨時会、保育園民営化条例廃止議案を否決

update 2005/2/15 11:01

 函館市議会第1回臨時会は14日、市立桔梗保育園の民営化条例廃止議案について採決し、賛成4反対68の反対多数で否決し、閉会した。函館市初の直接請求として注目を集めた議案は、昨年9月の定例会と同様に、議会は市の民営化方針をあらためて支持した。ただ、保護者らの直接請求の背景には、民営化に伴うさまざまな不安や疑問について、市から十分な説明を受けられなかったという思いがあるだけに、市には今後の民営化に当たり、より慎重な姿勢が求められる。

 請求代表者の3氏が意見陳述した。函館市公立保育園保護者連絡会の林正幸会長は「大多数の保護者が納得していないのは事実」、「函館市の保育を充実させ、公立保育園の民営化について考える会」の倉部勝子事務局長は「保育士が変わり、子どもの負担が心配。これは桔梗だけの問題ではない」、新日本婦人の会函館支部の工藤時子支部長は「少子化が進む今こそ、育児に予算を使うべき」などと述べた。

 質疑では、高橋佳大氏(共産党)が「民営化に一定の理解が得られたとする市の見解は破たんしている」と追及した一方、井田範行氏(はこだて市民クラブ)らは民営化に理解を示した。

 討論では丸尾隆子氏(共産党)が賛成、小山直子氏(民主・市民ネット)、瀬尾保雄氏(公明党)が反対の立場から登壇。採決では共産党のみが賛成した。

 閉会後、井上博司市長は「賛否がある問題だが、採決の結果からも、一定の理解が得られたとする判断に誤りはなかった。ただ、要望や意見については応えていきたい」と話した。

 林会長は「市にも議会にも市民の声は届かなかった。議論が尽くされたとは言えず、残念でならない」と語った。

 この日、議場には保護者らが詰めかけ、傍聴席(88席)は常時、埋まった状態。傍聴者数は平日や日中の開催では異例の100人を数えた。

提供 - 函館新聞社



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