道の春季ヒグマ捕獲、ハンターの習熟図る
update 2005/2/7 10:20
渡島半島での春季のヒグマ捕獲をめぐり、道はハンターの技術の習熟を目的とした「人材育成のための捕獲」を認める方針を固めた。ヒグマの個体群維持を念頭に、人的被害を防ぐために2002年から実施している「春季管理捕獲」は終了する。目的は変わるが、捕獲上限数や期間などは変わらないという。23日に渡島で、24日に檜山で、それぞれ地元関係者でつくる協議会に提案する。
春季管理捕獲は、ヒグマによる人間や農作物への被害を防ぐのが目的。90年に廃止された「春グマ駆除」のように無制限に捕るのではなく、個体群の維持も視野に捕獲の上限数を定めており、行動範囲が広いオスを主な対象にしていた。
02―04年は試行期間と位置付け、地元ハンターが3月下旬―5月上旬に入山していたが、捕獲数は3年間で計25頭と、目標の2割にも達しなかった。41日間の1シーズンに、年間で平均8頭しか捕獲できなかったため、道は「明確な効果を確認できず、労力の割には効率的ではない」と判断した。
ただ、ハンターの高齢化や不足などが課題に上がっており、春季の捕獲は、ヒグマの活動が活発になる夏から秋に備えた「技術を習熟する絶好の機会」と、継続を求める声がハンター側から多数あった。そのため、経験の浅いハンターの習熟を図る目的で、同じ時期、地域で「人材育成のための捕獲」を認めることにした。
今後、今月下旬に開催する協議会で、地元ハンターらの意見を集約して、捕獲方法や態勢などを詰める。
道は、ヒグマの適正な保護管理方策の確立を目指し、2000年度に「渡島半島地域ヒグマ保護管理計画」を策定した。春季管理捕獲も同計画に基づく。計画期間は10年で見直し時期を迎えるため、設置した検討専門分科会で検証してきた。
提供 - 函館新聞社
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