覚せい剤事件、若年層への汚染深刻/8割30代以下、未成年者5%

update 2005/1/31 13:00

 道警函館方面本部管内で昨年摘発した覚せい剤事件の人数が70人と、過去5年で最も少なくなった。全国と全道の減少傾向と一致し、前年比で9人の減少。しかし、摘発された者の約8割が30代以下の「若い層」で、うち未成年者は全体の5・4%と全道の3%を大きく上回る。再犯者も3割を占める現状に、憂慮すべき点は多い。

 同本部によると、年代別では10代が4人(5・7%)、20代が26人(37・1%)、30代が27人(38・6%)、40代が9人(12・9%)、50代以上が4人(5・7%)。未成年者が占める割合は、道警の5方面本部で2番目に高かった。未成年者4人は、いずれも女性だったという。

 前歴でみると、覚せい剤事件の初犯者は46人(65・7%)、再犯者が24人(34・3%)。シンナーの前歴者を含めると28人に上り、全体の4割を占める。同本部は「依存性の高さなどの理由から、再犯に至る者が少なくない」(生活安全課)と懸念を隠せない。

 暴力団関係者が占める割合は全道の59・5%に対し、50%と低い。だが、昨年2月には覚せい剤の組織的密売事件として函館中央署が暴力団周辺者を逮捕したほか、5月には函館西署が中間密売人を逮捕している。使用だけでなく、“薬物絡み”でほかの犯罪に2次的に巻き込まれる可能性も高いだけに、同本部はあらためて注意を促している。

提供 - 函館新聞社



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