函館税関、「社会悪物品」の密輸過去5年で最多

update 2005/1/29 11:09

 函館税関は昨年1年間に管内(道内全域と青森、秋田、岩手の北東北3県)で摘発した拳銃や薬物の密輸など関税法違反事件の概要をまとめた。摘発件数は過去5年で最も少ない99件と減少したが、合成麻薬(MDMA)や覚せい剤など「社会悪物品」の密輸が20件と最多となった。函館市内では大麻の押収が2件と摘発は少ないものの、全国的には“大量押収傾向”が続く深刻な事態となっている。

 同税関によると、関税法違反事件の摘発件数は2000年が206件、01年が161件、02年が121件、03年が134件。減少傾向で推移しており、昨年は100件を下回った。

 しかし社会悪物品の摘発件数は、2000年が6件、01年が17件、02年が14件、03年が11件で、昨年は前年のほぼ倍増となる20件と、増加に転じた。うち2件は函館港での摘発で、入港したロシア船から大麻を押収している。

 昨年6月には道内で初めて、MDMAの摘発事件が発生。新千歳空港で、再入国した在日中国人の旅具検査を実施した際、お茶の容器の中からMDMA1148錠を摘発した。

 全国的にMDMAの密輸が激増しており、昨年の摘発件数は54件(押収量40万1000錠)と過去5年で最大。管内への波及も懸念される中、同税関は「1錠数千円と価格が安く、デザインもかわいらしいなどの理由から、若者を中心に手を伸ばしやすい」(監視部)と分析、安易な使用に警鐘を鳴らす。

 大麻などの持ち込み手口も年々、巧妙化し、取り締まり機関とのし烈なせめぎ合いが続く。昨年4月には、小樽港に入港したロシア船の寝室テレビ台の下から拳銃用実包5発を発見。同月、秋田・船川港に入ったロシア船の乗組員のたばこ箱から、新聞紙に包んだ大麻2103グラムが見つかっている。

 多様化する犯行手口を前に、同税関の吉田隆監視部長は「社会悪物品は、犯罪の温床にもなる。関係機関との連携を一層強化し、水際で阻止したい」と、強い決意で取り締まりに臨む構えだ。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです