道内の食の情報データベース化/29日に函館で会合

update 2005/1/22 13:33

 道は、道内各地の食材や古くから地域に伝わる郷土料理など、北海道の「食」に関するさまざまな情報のデータベース化に取り組んでいる。道食材の地産地消や食文化の創造などに役立ててもらうのが狙い。蓄積データの公開に向け、3月末までにホームページ(HP)を作成する。作業を進める道農政部は、総合学習や新メニュー開発などでの活用を期待している。

 国の緊急地域雇用対策事業として民間へ委託し、実施している。事業費は2236万円。昨年8月からこれまでに、道民アンケートのほか、松前町など道内17市町村で聞き取り調査をした。

 アンケートでは、道民8828人を対象に、日常の食事や正月などの行事食、地域で生産している食材の調理方法などを質問した。3174人(約36%)から回答があり、約590品目の「日常食」や約150品目の「正月料理」、約190品目の「祭りに食べる料理」、約1000品目の「地域の農林水産物を活用した料理」などの情報を集めた。食文化の時代推移を考察するため、「1954(昭和29)年以前」から「75(昭和50)年以降」までと調査年代も4区分した。

 市町村への聞き取り調査では、「山菜入り松前漬け」(渡島管内松前町)のほか、「サケの頭の甘露煮」(根室管内羅臼町)、「シカ肉バーガー」(釧路管内白糠町)など、それぞれの地域で食べられている料理や食づくりへの取り組みを調べた。

 今後、本年度末までに、集めた情報をHPで公開する。北海道の食文化を地域ごと、時代ごとに紹介するほか、地域の食文化や自慢料理などの情報も掲載する予定だ。道農政部道産食品安全室は「地域の食文化を伝える勉強会のほか、新しい郷土料理や飲食店メニュー開発などに活用してもらいたい。地域ぐるみの地産地消につながれば」とする。

 公開に先立ち、データの活用方法などを紹介するための会合を、13日から2月14日まで道内6カ所で開く。道南・函館では、29日午前10時から函館短大付設調理師専門学校(函館市柏木町7)を会場に、函館短大の村元直人名誉教授が講演するほか、HPに掲載する郷土料理の調理や試食などが行われる。参加無料。問い合わせ、申し込みは、渡島支庁農務課生産振興係(TEL0138・47・9000内線2728)。

提供 - 函館新聞社



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