昨年の労災死者数が前年比3人増の14人で2年連続増加

update 2005/1/20 10:40

 昨年1年間に渡島、檜山管内で発生した労災事故の死亡者数が、前年比3人増の14人となり、2年連続で増加したことが19日、函館労働基準監督署のまとめ(速報値)で分かった。過去10年で2番目に多く、うち建設業が4割を占めている。負傷者(休業4日以上)数は同61人減の491人で、4年連続の減少となった。

 道南の労災事故死亡者数は過去10年でみると、1996年の16人が最多。その後は6―12人の間を推移している。

 業種別では、建設業が同2人増の6人で最も多く、次いで道路貨物運送業が同1人増の3人。事故の形態は交通事故が5件を占め、墜落・転落は4件だった。

 昨年2月には奥尻町の砂防工事現場で、クレーンによる落下事故があり、従業員2人が死亡。同10月には台風18号の影響でダムに流れ着いた木材の撤去作業をしていた潜水士が、取水口に足を吸い込まれ、亡くなっている。

 全道の労災事故死亡者数は同18人増の117人で、「人口比率でみると道南は10人前後が妥当。道内全体に対し、道南の占める割合が増している」(同署)という。

 一方、負傷者数は過去10年で最小を記録。最も多かった96年の808人と比べ、4割減少した。中でも、食料品製造業は同10件減の93件、木造建築業は同17件減の11件と大きく目減りしている。

 同署は「事業所が過去の労災事故を熟知していれば、十分再発防止策を講じられる」と、注意を呼び掛けている。

提供 - 函館新聞社



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