サケ稚魚や卵に被害/21日に金山川で外来種のブラウントラウト駆除

update 2005/1/19 10:10

 【長万部】長万部町の静狩川水系の金山川で、放流されたサケの稚魚や卵を、外来魚のブラウントラウトが大量に捕食していることが分かり、町漁協などは水産資源を守るため捕獲に乗り出した。釣り人らの放流などにより、道内では約40河川に生息しているが、ブラウンの駆除は道内で初めて。21日には2回目の駆除が行われる予定。

 町漁協と町、渡島さけ・ます養殖事業協会(函館)が昨年12月17日、道と道立水産ふ化場(恵庭)の協力を受け、ブラウン453匹を駆除した。知事の許可を得て、電気ショックにより337匹を仮死状態にしたほか、刺し網により116匹を捕獲した。

 ブラウンは、欧州など原産の外来魚で、釣り人らの放流で広く生息するようになった。金山川は「道内で最も生息密度が高い」(同ふ化場)とされる。放流したサケの稚魚や卵が捕食されるなどの被害が出ていた。

 同養殖事業協会のふ化場が静狩川上流にあり、毎年サケの稚魚を放流している。昨年は2―3月に稚魚128万匹を放った。だが、少なくとも15%が、ブラウンに捕食されていることが、道立水産ふ化場の調査で分かっている。

 これらの問題を受け、渡島支庁は昨年12月、地元の漁業関係者や釣り人らを集めた意見交換会を開いた。会合では、金山川には1平方bあたり0・63匹のブラウンが生息すると報告された。道漁業指導課は「幅がわずかな小川に、これだけ多くのブラウンがいるのは特異」と指摘した。漁業関係者らからは早急な対策を求める声が相次いだ。

 会合に出席した釣り愛好家団体も「金山川の状況を考えると、駆除はやむを得ない」と理解を示した。

 ★ブラウントラウト=欧州、西アジア原産。スポーツフィッシング用に一部の釣り人が道内の河川に放流した。道内では1980年に初めて確認された。魚食性が強く、拡散防止のため、道は2003年11月に河川や湖などへの放流を禁じている。

提供 - 函館新聞社



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