公立はこだて未来大学の岩田州夫教授らが指導するプロジェクトチームが待ち時間短縮につながる電子式の診察券など研究成果を発表
update 2005/1/18 10:20
公立はこだて未来大学(中島秀之学長)の岩田州夫教授らが指導するプロジェクトチームが、「大規模病院における患者と病院とのコミュニケーションシステム」と題する研究成果を発表した。待ち時間短縮につながる電子式の診察券や、患者と医師が情報交換する携帯情報端末(PDA)の導入、内科や外科など見やすい案内表示の構築など、患者と病院の“距離”を縮める意欲的な取り組み。岩田教授は「実際の医療現場で使えるレベル。学生の努力と工夫を強く感じる」と語る。
3年生を対象にしたプロジェクト学習の一つで、本年度は17人が参加した。市立函館病院や五稜郭病院などの協力を受け、「待ち時間」「コミュニケーション」などの視点から課題を探り、具体的な解決策をまとめた。
待ち時間対策として、情報の書き換えが可能な電子式診察券の導入を打ち出した。患者は待ち時間中に外出した際、携帯電話を使い、診察券に印刷されたQRコード(2次元バーコード)から病院のコンピューターに接続し、あとどのくらいで診察を受けられるかの情報を引き出せる。病院側は診察場所や治療費などを表示できる。
PDAには患者が日常の様子などを書き込み診察時に医師へ提出する。医師は情報の読み取りに加え、治療に必要な指示などを入れ、患者に返却。両者の情報交換を深めることで、治療の効率化を狙った。
また、通院患者の利便性に配慮し、案内表示の刷新を提言。目線に合わせた高さをはじめ、文字の大きさや色など、新たな案内用サインの在り方について、実例を挙げ示した。
電子式診察券や案内用サインなどは試作品を作ったほか、PDAについてもイメージをパソコン内で再現。同大ミュージアムで21日まで展示しているほか、毎日午前10時と午後5時に学生がプレゼンテーションもしている。
プロジェクトチームリーダーの粉川菜穂さん(21)は「ある程度、満足できる結果が残せた。この成果をどこかの病院で生かしてもらえたら」と期待している。
提供 - 函館新聞社
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