函館市火災被害額損害額が6000万円を超え過去4年で最大

update 2005/1/9 13:45

 函館市内で昨年起きた火災による損害額が6000万円を超え、過去5年間で最も多くなったことが、函館市消防本部のまとめで分かった。若松町の商店街「大門」で12月20日に発生し9棟を焼いた“大規模”火災分は含まれておらず、今後、さらに大きく膨らむのは確実だ。

 同本部によると、昨年の火災件数は91件(前年比1件増)で、死者数は8人(同1人増)。損害額は集計中の大門地区の火災を除き、昨年28日までに6120万9000円となった。2000年から03年まで4000万―5000万円台で推移しており、6000万円台を超えたのは5年ぶり。

 焼損した床面積も3400平方メートル超となり、1995年の5281平方メートル、94年の4915平方メートルに次ぎ、過去10年間で3番目の規模となっている。

 出火原因別では、放火(疑いを含む)17件、電気配線13件、たばこ10件が上位を占め、電気配線による火災が過去3年の数値に比べ、約2倍に激増。同本部は1月中旬をめどに、さらに詳しい調査を進め、報告書をまとめる。

 昨年の損害額と焼損床面積が急増したのは、10月14日に松陰町で木造2階建ての店舗兼住宅の長屋を全焼したのが大きな要因。

 建物は1937年建造の古い長屋で火の回りが早く、飲食店や美容室など9店舗と空き店舗2店が入った1階など内部約650平方メートルを延焼した。被害額は958万6000円に上り、12月の大門地区の火災を除けば、昨年最大。

 今年も7日までに、火災3件が発生し、1人が死亡するなど、深刻な状況に依然歯止めがかからない状態。同本部は「ストーブやたばこなど火の取り扱いには十分注意して」(予防課)と防火対策の徹底を呼び掛けている。

提供 - 函館新聞社



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