南茅部高校理科部が日本学生科学賞の研究部門最高位、内閣総理大臣賞に輝く
update 2005/1/7 13:10
南茅部高校(喜多清彦校長)の理科部がこのほど、第48回日本学生科学賞(全日本科学教育振興委員会など主催)の研究部門で最高位の内閣総理大臣賞に輝いた。道内の高校では初の最高賞受賞という快挙。偏光板の着色現象をテーマにした粘り強い実験や検証で、ノーベル物理学賞受賞学者の学説の不備を実証した。野澤千春部長(3年)は「頑張って研究したことが評価された」と喜びをかみしめている。
日本学生科学賞は中学、高校の理科や科学の課題研究作品を対象にした国内最大規模のコンテスト。今回、研究部門には中高合わせて約5000点の応募があった。
同校理科部は、北海道審査、東京での予備審査を経て、昨年12月22、23日に東京で開かれた最終審査に進出。研究作品ごと設けられた展示ブース内で野澤部長が審査員の質問に答え、研究内容を説明、高い評価を得た。
研究テーマは「偏光板とポリプロピレンによる着色現象に関する考察」。2枚の偏光板の間にポリプロピレンを挟むと色が付いて見える原理に着目し、現象を探る中で、ノーベル賞を受賞した物理学者、故リチャード・ファインマンの記述に遭遇。「ファインマン物理学2」の中にある「白色光の中のある特定の成分に対してのみ半波長板の役目をする」などの記述部分に疑問を持ち、偏光板に着色した光の性質を細かく分析。光の波長をグラフ化するなどして、複数の色や波長があることを突き止め、「ファインマンの記述に不備がある」という結論に達した。
顧問の堀輝一郎教諭によると、この記述をめぐっては研究者の間にも諸説があり、「ファインマンがあえて省略した」との指摘もあるという。
部員は5人。研究は、1年がかりで進めた。実験にあたっては千歳科学技術大学の協力を受け、同大の実験装置を使用。実験結果の分析に時間を割いたほか、最終審査に備え、理論的な勉強や準備にも力を入れた。
野澤部長は「まさか内閣総理大臣賞をとれるとは思っていなかったのでびっくりした。研究は楽しかったけれど、もういやだと思うこともあった。中途半端に終わらず、結論がまとまってよかった」と話している。
提供 - 函館新聞社
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