「郷土の良さを再認識」…佐藤さん、かるたコレクション
update 2005/1/4 12:56
まるで小さなおもちゃ箱がずらり―。函館市柏木町の会社役員、佐藤友康さん(48)は、かるたのコレクションを始めて約15年。郷土史、アニメキャラクター、学習用、美術品系、江戸・京都・大阪系など、収集した種類は200点以上。戦前に作られたとみられる「函館かるた」など、貴重な品もある。佐藤さんは「郷土の良さを再認識し、伝えていくためにも、大事にしていきたい」と話している。
同市白鳥町の郷土史研究家、近江幸雄さん(68)が1980(昭和55)年に作製した「函館いろは歌留多」を手に入れたとき、郷土の良さを歌った内容に魅了され、収集の道へ。今では非常に珍しい、戦前に作られたとみられる「函館かるた」(故・本間道寿さん作)や、最近では大野町文化財保護研究会が99年に作製した「おおの郷土史かるた」などもそろえた。
コレクションの幅は広い。全国の郷土史では「上毛」「津軽」「下北」「さい玉」「さい玉蕨(わらび)」「旭川」など、キャラクターでは「あしたのジョー」「ウルトラマン」「ドラえもん」、学習用に「万葉」「芭蕉」「啄木」をはじめ、多彩な作品がそろっている。
郷土史かるたの草分けとされる「上毛」では、「誇る文豪田山花袋」「平和の使い新島襄」「日本で最初の富岡製紙」などの読み句が並ぶ。佐藤さんは「子供が自分の古里を日本一に思うぐらい、郷土愛に燃えていますね」と感心する。一方で「函館かるた」は「また大火復興第一火の用心」「ぬっと立つアンテナ塔の放送局」など「事実そのものを歌い、表現が穏やか」とみる。
「犬も歩けば棒に当たる」でおなじみの「犬棒かるた」(江戸系)も、種類によっては「年寄りのひや水」が「年寄りはいたわれ」、「盗人の昼寝」が「ぬかにくぎを打つ」など、若干の違いがある点が興味深いという。
今では上京する度に、神田神保町の専門店に立ち寄るほか、収集を知る知人が地方で買い求めてくれることも多いという。また、コレクションを増やす秘訣(ひけつ)について「同じ品を3個そろえること」と明かす。「1個は実際に手に取る、1個は保存用、1個は交換用」だそうだ。
収集した品々は膨大だが、佐藤さんは「全国の郷土史かるただけでも数百点はあるはず。ほんの一部です」と笑う。ウルトラマンやジャングル大帝など、自分が見て、知っている時代の作品をそろえるのが楽しいといい、「いつかは自分で、自身とかかわりのある分野で50音かるたを作ってみたいですね」と夢を語っている。
提供 - 函館新聞社
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