盛田さんイースターエッグ、復活祭に向け制作中
update 2005/1/3 12:04
函館市昭和2の「もりたカイロプラクティック」院長、盛田誠さん(55)が、3月27日の復活祭(イエス・キリストの復活を記念する祝日)に向けて「イースターエッグ」作りに取り組んでいる。ニワトリやダチョウなどの卵の殻に、細かい文様や絵を施す工芸。「調和」「忍耐」などさまざまな意味を持ったデザイン、色で1個1個を仕上げている。
始めたのは1998年。妻、明子さん(55)が同市元町のハリストス正教会で学び、家で取り組んでいたのを見て「面白そうだ」と興味を持った。明子さんが「始めたら止まらない性格。あっという間に私より上手になっていきました」と話すように熱中。今では「年間に何百個作るか分からない」ほどだ。
作り方は「ろうけつ染め」。約20色の染料で着色し、「キストカ」と呼ばれる鉄筆などを使いワックス(蜜蝋)を塗る。絵や文様の着色をし、ワックスを塗る作業の繰り返しで、最後にはカラフルでさまざまなデザインが完成する。
卵は産みたての洗われていない物を使用するため、森町の養鶏業者へ出かけ求めるという。制作は仕事の合間に作業に取り組み、簡単なもので半日、細かなものは1日で仕上げる。
「始めてから3年はワックスが必要以上に落ちデザイン通りにいかなかった」と盛田さん。インターネットで関連した本を買ったり、細かな作り方などを見つけたりするなど試行錯誤を重ね、うまくできるようになった。
完成した作品は眺める間もなくプレゼントとして使われる。「受け取った皆さんが喜んでもらえるとうれしい」と話す。昨年の春から約100個を完成させたが「復活祭まで数十個足りない」と作業に取り組む。
ヨーロッパの伝統工芸品を前に「画題集にはない日本画風のものを描きたい」と夢を抱いている。(山崎純一)
「イースターエッグ」
ウクライナに伝わる伝統工芸。卵に色や絵を着けて装飾する。現在では「復活祭の卵」として知られている。卵には「大きな力が存在する」と信じられており、長い冬が終わり新しい生活や繁栄を約束する春の始まりを象徴するとされている。
模様や色にはそれぞれ意味がある。魚はキリストを表す古代のシンボル、ヒツジは尊厳、らせん模様の繰り返しは調和、無限を表す。赤は太陽で人生の幸福などを表し、明るい緑は春、新たな成長、希望を示している。
提供 - 函館新聞社
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