函水の吉田が高体連新人戦全道大会ボート男子シングルスカルで優勝

update 2004/12/17 10:02

 このほど札幌で行われたボートの高体連新人戦全道大会で、函水の吉田渉(2年)が男子シングルスカルで優勝を飾った。函水ボート部は今年創部50年の節目に当たり、新人戦での全道制覇も1997年以来7年ぶり。最終目標といえる来年のインターハイに向けて確かな手応えをつかんだ吉田は、レベルアップのカギとなる冬場の陸上トレーニングにも、一層精力的に取り組んでいる。 吉田は中学時代柔道をしていたが、高校入学後にボートを始めた。だが、1年目は気持ちに甘えもあり、あまり練習に参加していなかった。変えたのは先輩からの「とにかく練習に行け」というしつこいほどの叱咤(しった)激励。「正直、最初は面倒だったが」と振り返るが、春からは週に6日の練習をしっかりこなし1年遅れを取り戻した。

 昨年の新人戦は練習不足もあって予選敗退。今大会に雪辱を期していた。大会前には「きれいにこぐと速くなる」と言い聞かせて、繰り返しフォームのチェックに励んだ。予選では4分29秒台のタイムで、5人中1位で決勝に進んだ。

 3人による決勝ではペースが落ちた中盤、2位の選手から猛追を受けたが競り勝った。「相手に引っ張られた」と話す記録は予選を16秒上回る4分13秒台。「スタートに失敗して目標の4分10秒を切れず残念」としながら、「決勝でタイムを伸ばせてよかった」と笑顔を見せる。

 9月で函館港西浜での水上練習は終わり、現在はランニングや筋力トレーニングの毎日。「ボートは下半身でこぐ」と繰り返し語る横川正美監督の教えを念頭に、「エルゴ」という陸上用のこぐ練習用の器材はあまり使わず、低いハードルの連続越えなどに時間を割き、体づくりにじっくり汗を流す。

 同大会は1種目に1校の選手のみの出場で、「有力校の強豪選手が他の種目に出場していたので優勝できた」と、優勝にも気を引き締める。横川監督からは「常に高い意識を持ち続けること」と注文も出されているが、気持ちは昨冬とはまったく違う。全国の舞台も視野に入れた3分台の目標に向かって、焦らず、じっくり歩いている。

提供 - 函館新聞社



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