アジアマスターズ陸上バンコク大会で鈴木さんが4つの金メダル

update 2004/12/15 10:09

 このほどタイ・バンコクで行われた、第13回アジアマスターズ陸上競技選手権バンコク(タイ)大会で、鈴木郁子さん(67)=函館市日吉町=が、女子65―69歳部門の400メートル、800メートル、1500メートル、4×100メートルリレーの4種目で優勝を飾った。鈴木さんがアジア大会に出場するのは3回目だが、過去2大会ともいずれも4種目を制覇しており、自身にとって引き続き“4冠”を達成した。大会前に足を故障するアクシデントを乗り越えて得た、4個の金メダルに笑顔を見せている。

 鈴木さんは40歳の時、子どもの陸上練習の送り迎えをしていたのがきっかけで陸上を始めた。ロードレースなどを経験し、1992年から北海道、全国のマスターズ競技大会に参加。2年に1回開かれるアジア大会には第10回沖縄大会、第12回大連(中国)大会に出場している。

 経験のある海外の舞台だったが、「今回は非常に厳しい大会だった」。というのも、大会1カ月ほど前の南北海道駅伝競走大会(福島町)に出場した際、区間への移動中転倒し足を負傷。無理にレースに出たこともあり、最後までスパイクを身につけた練習ができなかった。だが、毎朝の7―10キロのジョギングだけは欠かさず、コンディションを整えた。

 5種目に出場。初日の800メートルはまだ抵抗感のあったスパイクをはかずに挑んだ。「不安はあった」が、2番手から最後の100メートルで逆転する勝負強さで優勝。タイムは3分25秒93で自己ベストの3分08秒台には及ばなかったが、「優勝したことで気持ちが楽になった」。その勢いで他の3種目も制し、200メートルも5位に入った。

 一般的に年齢とともに体力は衰えるが、「学生時代の競技経験がないためか、今でも記録が伸びることがあるんです」と笑顔。シーズン中には千代台公園陸上競技場で高校生に交じって練習するなど、前向きに気負いなく競技に向き合う。2年後のアジア大会の会場はスリランカ。「60代最後のアジア大会。70代に続くためにもぜひ参加できるよう、頑張りたい」と意欲的に語っている。

提供 - 函館新聞社



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