中央卸売市場、管理システム整備進む
update 2004/12/12 13:44
函館市中央卸売市場(函館市西桔梗町、山本能史場長)は、音声で取引状況を入力する「音声現場入力システム」の導入に取り組んでいる。1998年度に着手した情報管理システムの整備事業の一環で、雑音の影響などを確認している。最終調整が済めば、計画していた全7項目が整備されることになる。同市場は、本年度中に全システムの整備を終える意向で、円滑な取引事務による市場の活性化が期待される。
音声現場入力システムは、競りと同時に取引内容を卸売業者のコンピューターに入力する仕組み。入力のためのマイク付きヘッドホンと音声認識装置、小型のパネルパソコンか携帯情報端末(PDA)の3つで入力する。入力データは、無線構内情報通信網(LAN)を通じて各卸売業者の管理コンピューターに送られる。
通常の競りは、競り人と、代金や数量など競りの全記録を「販売原票」に記載する記帳者2人1組で行われる。機器を使うのは記帳者。システム導入により、これまで紙に記入したものを、競り終了後にコンピューター入力していた作業が省ける。
同システムを試験導入している卸売2社のうち丸果函館合同青果は「労力はこれまでの3分の2で済み、生産者へ売り買い情報を知らせるファクス送信も迅速になった」と、サービス向上を喜ぶ。
現在は、話し合いで価格を決める相対取引に限定した利用で、なまりや音声以外の雑音の影響などを確認中。同市場は「調整を続け、来年度にはすべての取引で使いたい」という。
整備済みのシステムは、出荷予定数量や市況などの情報をホームページなどで公開する「情報提供システム」をはじめ、卸売業者や仲卸業者からの販売情報を電子化する「統計システム」、7件ある仲卸業者の業務システムを共通にする「仲卸業務システム」など、多岐にわたる。
整備は、市場内の情報基盤整備が目的。開設者である市や市場内業者間を結ぶ情報ネットワークを結ぶことで、情報の共有化などを図り、最終的には市場の活性化につなげるのが目的。
総事業費は1億円で、3分の1は農林水産省の補助を受けた。
提供 - 函館新聞社
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