「水族館は特例債次第」計画が遅れる可能性も示唆/市議会市長答弁

update 2004/12/10 11:38

 第4回函館市議会定例会は9日、一般質問を続行。丸尾隆子(共産党)、遠山俊一(南かやべ議員団)、田中博(恵山議員団)、森祐(といグループ)、中市敏樹(椴法華クラブ)、板倉一幸(民主・市民ネット)の6氏が登壇した。井上博司市長は、水族館(海の生態科学館)について、「特例債がだめになった場合は、(整備時期を)ずらすことはあり得るかもしれない」と述べ、特例債次第で計画が遅れる可能性に初めて言及した。

 板倉氏の質問に答えた。

 市は合併特例債約30億円を活用し、「緑の島」(同市大町)に水族館を建設する方針。2006年度着工、08年度オープンを目指している。学識経験者ら15人でつくる「水族館建設基本構想策定委員会」が本年度中に基本構想を作成する見通し。

 井上市長は「特例債がだめになったら事業をやらないということにはならない」と述べ、水族館を含む特例債で計画する事業推進に積極的な姿勢を示した。一方で、「財源の問題もあり、仕切り直すこともある」と、慎重な姿勢も示した。

 井上市長は、来年度、合併特例債を申請する可能性のある事業として、水族館のほか、消防庁舎の整備、箱館奉行所の復元整備、地域交流まちづくりセンターの整備、地域住民の連帯強化や地域振興のための基金造成などを挙げた。


 このほかの主な質疑は次の通り。

 丸尾氏 奥尻町から合併の打診があった場合、どう対応するか。

 井上市長 4町村と合併したばかり。新しい函館市としての将来を確かなものとすることが当面の課題。新・函館市の発展に全力を尽くしたい。

 丸尾氏 JR函館駅からホームレスが締め出された。ホームレス対策の基本方針は。

 万年敬三福祉部長 生活保護の実施を含め、自立に向けた支援に努めたい。

 遠山氏 合併建設計画の実現に向けた決意は。

 井上市長 地方の厳しさに変わりはないが、一層の行財政改革を進め、地域全体の知恵を集め、福祉の向上、地域の振興を目指したい。

 遠山氏 本庁と支所の連携をどう図るか。

 井上氏 新設の地域振興室が調整役となり、各部署が横断的、総合的に協調し、課題の解決に当たる。

 田中氏 合併4地域への観光振興策は。

 井上市長 地域内連携により観光ルートの発掘に一丸となって努めていきたい。

 田中氏 海への不法投棄の防止やきれいな海を守る方策は。

 井上市長 これまで以上に不法投棄防止と環境美化に努力する必要があり、市民意識の高揚が必要。

 森氏 水産業振興施策の方向性をどう考えるか。

 井上市長 広域的相互連携、スケールメリットによる事業費の効果的投入などを通じ、魅力ある産業にしたい。

 森氏 漁家経営の安定化策は。

 井上市長 共済制度加入促進のため、掛け金の一部助成などを行ってきたが、新たな取り組みを検討していきたい。

 中市氏 4支所管内の福祉バスのアウトソーシング(外部委託)を行うか。

 井上市長 アウトソーシングは質の高いサービス提供と行政の効率運営が目的で、今後検討していきたい。

 中市氏 道道元村恵山線の整備促進の要望にどう取り組むか。

 井上市長 緊急避難路や救援物資の運搬路として重要で、道をはじめ関係機関に整備を要望していきたい。

 板倉氏 地方交付税の今後の見通しについてどう考えるか。

 井上市長 本年度に引き続き抑制されることが予測され、今後策定される国の地方財政計画を注視していきたい。(吉良 敦、奥山秀俊)

提供 - 函館新聞社



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