02年シナリオグランプリ「狼少女」映画化

update 2004/12/4 11:25

 「函館港イルミナシオン映画祭」で、2002年の第6回シナリオ大賞長編部門グランプリに輝いた脚本家、大見全さんの作品「狼(おおかみ)少女」が、映画化されることになった。同映画祭シナリオ大賞受賞作品の映画化は、長編で3本目。3日夜、同映画祭実行委員会による制作発表が函館山展望台で行われた。

 「狼少女」は1970年代の東京郊外が舞台で、男子小学生が、縁日の見せ物小屋の狼少女に引かれていく切ない初恋のストーリー。今年の同映画祭では大滝純監督が約30分の短編にリライトし、上映された。

 今回制作する映画は、昨年の短編オムニバス「Movie Box―ing」の「自転少年」で知られる新人の深川栄洋監督がメガホンを執り、オメガ・プロジェクト(東京)が制作。制作費、出演者は未定で、来年1月末にクランクインする。脚本の舞台設定は東京だがロケ地は未定で、函館を含め検討中という。同3月までに完成させ、来秋の公開を目指す。

 同映画祭シナリオ大賞の受賞作品では、「パコダテ人」(前田哲監督)、「オー・ド・ヴィ」(篠原哲雄監督)など長短編6本の脚本が映画化されている。

 制作発表は同映画祭オープニングパーティーで行われ、大見さん、深川監督、同映画祭ディレクターのあがた森魚さんらが出席。大見さんは「これからも紆余(うよ)曲折があると思うがいい映画をつくりたい」、深川監督は「とても面白い脚本なので、来年のイルミナシオン映画祭で公開したい」と、それぞれ意気込みを語った。

 同映画祭は3日、函館山展望台クレモナホールで開会式を行い、3日間の本祭が始まった。長短編11作品を上映したほか、メーンイベント「第8回シナリオ大賞」授賞式を開催。10周年を記念して新設された賞金300万円の「函館市長賞」が、長編部門グランプリ作品「あたしが産卵する日」の栗原裕光さん(28)=東京都目黒区=に贈られた。

提供 - 函館新聞社



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