保健所でＨＩＶ感染の無料即日検査、早期発見に受検呼び掛け

update 2004/11/30 11:28

　市立函館保健所は採血から２０分以内で結果が分かる、エイズウイルス（ＨＩＶ）感染の無料即日検査を実施している。国内で感染者・患者数が増え続けており、同保健所は「早期発見と感染拡大防止につながる」と今後は啓発を図る方針。

　従来は、抗原抗体法を採用しており、結果通知に２日間ほど要した。即日検査では、感度が高いとされるイムノクロマト法により、採血から１０―２０分程度で結果通知が可能。匿名性を重視するため、予約制で１日２人までに限定し、この８月から導入した。同保健所は「気軽に検査でき、結果を待つ不安が軽減されるという点でメリットは大きい」とみている。

　ただ、即日検査では、感染していなくても陽性反応が出てしまう「偽陽性」の率が約１％あるという。そのため、陽性反応が出た人は同じ血液サンプルを通常の検査に回すことが必要で、結果通知はさらに２週間後になる。最終結果が出るまで、大きな不安を抱えることになる。

　道立衛生研究所によると、全道的にも即日検査への移行が進んでおり、道内すべての道立保健所（２６カ所）で導入され、受検者数が昨年比４５％増と増加傾向にあるという。

　ただ、市立保健所の即日検査導入後の８―１１月の受検者数は、昨年が４１人に対し、ことしは４３人で目立った増加はみられない。年代は１０―７０代と幅広いが、若年層の割合が多いという。同保健所は「即日検査導入で受検者数が増えているとは言い難く、まだ関心が薄い」として、「少しでも心当たりがある人は検査を受けてほしい」と呼び掛けている。

提供 - 函館新聞社

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