日ごろの心構えが大切/駒ケ岳防災シンポジウム

update 2004/11/26 12:39

 【鹿部】「北海道駒ケ岳防災シンポジウム〜駒ケ岳火山噴火に対して地域や住民はどう備えるか〜」(実行委員会主催)が25日、鹿部町中央公民館で開かれた。周辺町などから約360人が参加。北大名誉教授で火山研究の第一人者・宇井忠英氏の基調講演と、5人のパネリストによるパネルディスカッションを通して、日ごろからの噴火への備えや防災教育の重要性を学んだ。

 基調講演で宇井氏は、駒ケ岳噴火の特徴として、小噴火、中噴火、大噴火、火山体崩壊の4パターンに分けられることを指摘。中噴火以上は事前の兆候から予測できる可能性が高いが、小噴火は早い段階での予知が不可能であると説明。日ごろから素早い避難行動ができる心構えが大切であると説いた。

 続いて行われたパネルディスカッションでは、東洋大学社会学部教授の田中淳氏、昭和新山の三松正夫記念館館長の三松三郎氏、函館開発建設部次長の高橋守人氏、札幌管区気象台技術部長の横田崇氏、駒ケ岳火山防災会議協議会事務局の中西清氏をパネリストに、行政や民間など、さまざまな立場からの取り組みを紹介。

 2度の有珠山噴火を体験し、民間での防災活動の大切さを訴える三松氏は「1977年の噴火では兆候がありながら、行政も住民も危機意識がほとんどなく、噴火後にようやく避難した。2000年の噴火ではその教訓を生かし、噴火前に全員が避難し被害を最小限に防ぐことができた。駒ケ岳に関しても、防災教育に力を入れ自分の身は自分で守る意識を持つことが必要」と訴えた。

 また田中氏は「駒ケ岳周辺住民に行ったアンケートでは、的中率が悪くても事前に噴火予測のデータを伝えてほしいという声が8割に上った。行政側も空振りを恐れずデータ提供すべき」と述べた。

 駒ケ岳は1640年の大噴火をはじめ、少なくともこれまで20数回の噴火が記録されており、周辺地域に甚大な被害を及ぼしてきた。2000年の小噴火を最後に沈静状態が続いているが、日ごろから周辺住民の意識向上を図ろうと、函館開発建設部、札幌管区気象台、函館海洋気象台、函館土木現業所、駒ケ岳火山防災会議協議会が実行委員会を立ち上げ、開催した。(小川俊之)

提供 - 函館新聞社



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