道南の文化遺産、全国で公開へ

update 2004/11/23 13:25

 展示物の刷新を計画する国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)が史料集めの一環として21、22日、市立函館図書館で「江指浜鰊漁之図」の撮影を行った。23、24日には松前町教委で「松前屏風」も撮影する。同博物館は展示のリニューアルを2007年3月から始める予定で、道南の文化遺産が全国の歴史ファンに公開されることになる。

 「江指浜鰊漁之図」は「上ノ国材木流之図」と2隻で「松前桧山屏風」を構成する。作者や制作された時代は不明だが、江戸時代にニシン漁でにぎわった江差の前浜が収められ、当時の風俗を知る上で貴重な史料とされている。

 22日は同博物館の職員ら4人が大型フィルムの特殊カメラを持ち込み、屏風を12分割して撮影した。画像をデジタル処理した後、映像や複製などとして、一般公開する予定だという。

 同博物館は1983年にオープン。開設20年を機に時代などで区分された5展示室の内容を大幅に入れ替えることとし、準備作業を進めている。

 このうち、最も早くリニューアルするのが近世を扱う第3展示室。計画では2007年3月と08年3月の2回に分け、新たな史料を並べる。

 江戸時代の対外関係史料を新たに展示することとしており、海外と交流のあった長崎や沖縄などで史料集めを実施中。道内では道開拓記念館と市立図書館、松前町教委の3カ所を訪問。同記念館では19日、「蝦夷国魚場風俗図鑑」を撮影している。

提供 - 函館新聞社



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