江差風力発電が制御ソフト改修が完了
update 2004/11/21 14:45
【江差】江差町の第3セクター・江差ウインドパワー(社長・濱谷一治町長)は19日までに、同社が運転している風車28基(1基の出力750キロワット)を制御するソフトウエアの改修作業を完了させた。これにより一部の風車で発電機出力が上昇する傾向が見られ、同町などは発電所全体の出力が年間を通じて、どの程度まで改善されるか注目している。
改修は10月22日から今月8日までの間、ウインドパワー社の要請で、発電所を施工したJFE(東京、旧NKK)が無償で実施。複雑な気流に対応して、風車の羽根の角度や方向の設定を変えることができるようにした。
改修後、発電所北側にある2号機の出力は従来、風速15メートル台で400キロワット時前後にとどまっていたが、600キロワット時前後まで上昇していることが分かった。同町は「風速13メートル以上の強風が吹くと、出力が伸び悩む状態だった。改修の効果が現れているのかどうか、数値の変化に注目したい」(企画課)と話している。
風車28基の発電出力を示す設備利用率が、2003年3月―04年3月の間は14・7%と低迷。当初計画(31・58%)の半分に満たない状態だった。
このため、ウインドパワー社は、プロジェクト委員会(委員長・牛山泉日本風力エネルギー協会会長)を設置して技術的問題を検証。同委は本年6月、設備利用率の低迷について(1)ソフト改修による制御方法改善(2)良好な風が吹く場所への風車移設―などを提案。同町とウインドパワー社は、施工業者のJFEに無償でソフト改修を行うよう求めていた。
一方、同委はソフト改修を行っても、風が弱い山側に設置された風車の設備利用率は改善が見込めず、発電所全体でも17―18%程度にとどまり、当初計画の31・58%には遠く及ばないとの予測も示している。
同町は、発電所の設備利用率が3ポイント程度向上した場合、売電収入は約1億円の増収が見込めると試算。だが、北電への売電単価の段階的な引き下げに伴い、近い将来には経営が行き詰まることが懸念されている。
同町とウインドパワー社は弁護士を介して、JFEと補償交渉を行っているが、「平行線をたどっており、解決の糸口が見いだせない状態」(町幹部)という。
提供 - 函館新聞社
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