新函館農業協同組合…スーパー「Aコープ」など3部門を経営分離

update 2004/11/20 13:55

 道内有数の単位農協、新函館農業協同組合(函館市宮前町、坂本繁組合長)は19日までに、直営事業のうち食品や日用雑貨を販売するスーパー「Aコープ」など3部門を経営分離し、2006年2月をめどに全額出資の子会社に移管することを決めた。農協が直営事業の経営を一括分離するのは、道内で初のケースとなる。

 分離するのは生活用品部門「Aコープ」のほか、ガソリンスタンド(GS)を運営する燃料供給部門、農機具や自動車の販売・修理を手掛ける整備事業部門。10月末に登記した有限会社「新はこだて協同」(坂本繁社長、資本金300万円)が経営を引き継ぐ。

 新函館農協(組合員4195人)は02年2月に、渡島、桧山管内の13農協(1市18町)が合併して誕生した。Aコープ8店、GS22店を展開する。3部門の04年1月期の合計売上高は約62億円で、経常利益は3億2800万円。従業員は職員・パートを合わせて約180人。

 新会社では、職員は当面出向扱いだが、将来は転籍も検討するほか、独自で新規採用も行い、総人件費を抑制する。同時に、既存店の改装や営業時間延長などを進めるほか、直営ではできない非組合員向けの商品販売の拡大や損害保険販売など新事業への進出も狙う。

 同農協経済事業本部は「合併後3年間、経営改善に取り組んできたが、異動などで専門性のある職員が育たず、農協直営では経営効率化は難しい」とし、「会社化で迅速な経営判断が可能となり、競争原理が働くことでサービスの質を高めることもできる。新体制で収益体質を強化したい」と話している。

 北農中央会(札幌)によると、道内農協が有力部門を一括して別会社化するのは初めて。道内には125の農協があるが「今後、このような動きの増減は今のところわからない」(経営対策部)としている。

提供 - 函館新聞社



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