「心のケア、話を聞いてあげること大切」/新潟から帰函の保健師

update 2004/11/19 10:38

 市立函館保健所の保健師が、新潟県中越地震の被災地に交代で派遣されている。現地には常時2人がいる体制をとっており、被災者の心身の健康状態をチェックする業務などに携わっている。18日までに帰函した第1陣の2人は「さばき切れないほど物資が集まっていた」「避難所にいるのは高齢者や身体障害者が多い」などと、現地での様子を話した。

 この2人は、保健予防課の舩水さかえさん(46)と健康増進課の加藤美子さん(43)。舩水さんは3日から9日まで、加藤さんは3日から16日まで、共に長岡市の「桂地区」で活動した。避難所で被災者の健康状態をチェックしたり、健康調査票の記載内容をパソコンに入力したりしたという。

 舩水さんは「日中の避難所は高齢者が多く、寒くて眠れず、普段より血圧が高くなっている方がかなりいた」と言い、「避難所ではただ話を聞いてあげることが大事で、心の中にあるものを出してあげられるよう努めた」と振り返る。

 調査票の自由記載欄を4日間入力した加藤さんは、「1人でトイレに行けなくなった、子どもが家に入りたがらない、物音にびくびくするようになった、という声が目立った」という。

 また、2人は「全国から次々とやって来る自治体職員やボランティアに、仕事をどう割り振るか、長岡市の職員は非常に大変だと思った」と、受け入れ体制構築の難しさを痛感した。

 長岡市での復旧作業は順調に進んでおり、当初12月まで続くとみられていた函館からの派遣は、11月中に終了する可能性も出ているという。(吉良 敦)

提供 - 函館新聞社



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