函館で28日に上映、映画「石井のおとうさん ありがとう」

update 2004/11/16 10:23

 “児童福祉の父”といわれる石井十次(1865―1914年)の波瀾(はらん)万丈の生涯を描いた映画「石井のおとうさん ありがとう」(山田火砂子監督)が、28日に函館市内で上映されることになった。15日までに市民による自主上映組織「函館市上映実行委員会」を発足。いじめや自殺が後を絶たない殺伐とした時代に、差別や偏見のない社会を考えるきっかけにしようと、上映に向けて準備を進めている。

 石井十次は日本最初の児童養護施設「岡山孤児院」(岡山市)の創設者。福祉という言葉のない時代に必死に寄付金をかき集めながら、3000人の孤児を救済したという。「親のない孤児よりも、もっとかわいそうなのは心の迷い子、精神の孤児なのです」という言葉を残し、48歳の若さで亡くなった。

 映画では十次役を松平健さん、妻・品子役を永作博美さんが務め、竹下景子さん、辰巳琢郎さんらベテラン俳優が脇を固めた。道内は劇場上映がなく、札幌、釧路などで自主上映されている。

 函館市上映実行委の呼び掛け人には函館市議の小山直子さんら約30人が賛同し、実行委員長に大野町教育委員長の藤田俊二さんが就いた。28日の上映は函館市民会館小ホールで午前10時半、午後2時の2回を予定。入場料は前売りで大人1200円、学生(中学生以上)500円、小学生以下無料に設定し、延べ600人の入場を見込む。

 藤田実行委員長は「現代は豊かな時代でありながら、子育ての放棄、虐待など子どもを取り巻く状況が難しくなっている。上映を通じて人間が人間らしくあること、子どもたちの明るい未来をいかに築くべきかを共に考える機会にしたい」と多くの来場を呼び掛けている。

 チケットの取り扱いは松伯堂プレイガイド。問い合わせは同実行委事務局TEL090・8274・1626(大西草雄さん)、TEL090・9524・6532(小山市議)。

 

提供 - 函館新聞社



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