南北海道自然エネルギープロジェクト講演会…自然エネルギー学ぶ
update 2004/11/14 10:23
南北海道自然エネルギープロジェクト(ピーター・ハウレット代表)主催の講演会が13日、函館市内のサン・リフレ函館で開かれた。講師は、日本風力エネルギー協会会長で江差町風力発電プロジェクト委員長も務める足利工業大学教授の牛山泉さん。自然エネルギーをめぐる世界の動向や可能性とともに、道南の風力発電事業の状況や問題点などを解説した。
牛山さんは、地球温暖化や石油埋蔵量の枯渇状況を説明し、自然エネルギーのメリットや主要国の風力発電導入状況を紹介した。日本は「北海道、東北の海岸沿いが特に多い」とし、留萌管内苫前町、山形県立川町、東京湾などの風力発電を写真で紹介した。
運転実績については、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が補助金を支出している事業者のデータを基に解説。「平均風速6メートル」「設備利用率20%」を最低ラインとし、全国の事業者の平均設備利用率17%を「これではぜんぜんダメ」と言及。上ノ国町の36%を高く評価した。
一方、江差町については昨年のデータから「平均設備利用率14・7%は、回せば回すほど赤字になる」と指摘。失敗の原因を(1)風況の見極めが悪かった(2)風力発電の機種選定ミス(3)狭い場所に28本を強引に入れた―と分析。「勉強していたらこんなことにはならなかった。(風力発電機の一部を)間引きして別の場所に持っていきたいが、国の助成でやったから動かせない」と語った。恵山町については「それ以前の問題」とした。
また、落雷や台風による風車の運転停止といった日本特有の厳しい自然環境を取り上げ、「台風や雷がほとんどない国から(風車を)持ってきている。必要なのは、日本の風土に合った風力発電設備の研究開発」と強調した。
提供 - 函館新聞社
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