出稼ぎ労働者年々減少、ピーク時の3分の1以下に
update 2004/11/10 10:24
渡島・檜山管内の出稼ぎ労働者数が年々減少している。函館公共職業安定所によると、ピークだった1970年代は年間1万人以上だったが、本年度は3000人を切ることがほぼ確実。出稼ぎ求職者そのものが減り続ける一方、受け皿となる大都市圏の建設業が採用条件を厳しくしていることなど、さまざまな要因が背景にあるとみられる。
出稼ぎ労働者とは、住民票がある地元を1カ月以上離れ、1年未満で帰郷する人。道南では建設労働者や漁業者が冬場、首都圏の建設業に従事するケースが大半を占める。
道南は道内でも出稼ぎ労働者が多い地方で、建設ラッシュに沸いた70年代には年間1万人以上が首都圏などに職を求めた。しかし、地元建設業の通年雇用の増加や若年層の出稼ぎ離れなどで数は年々減っている。その傾向は近年も著しく、98年度は5772人だったが5年後の2003年度は3020人まで減少した。
昨年度の内訳は、勤務地が道内779人(前年度比42人減)、道外2241人(同174人減)で、業種は建設業2379人(同272人減)、製造業439人(同79人増)など。自動車の好調さで製造業の伸びが目立つが、全体的な減少傾向に変化はなかった。
同所は「出稼ぎ希望者そのものが減少の一途」と指摘する。その上で、主要受け入れ先の大都市圏建設業について、「求人企業の地元でも求職者が多く、そこで人員確保が可能」と分析。年齢制限や重機運転の技能など、採用条件が厳しくなり、出稼ぎ労働者が入り込めない構図もあるとみている。
同所は本年度の出稼ぎ労働者は最終で3000人を切ると予想しており、「この傾向は今後も確実に続いていく」としている。
提供 - 函館新聞社
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