新潟県中越地震被災地で応急危険判定活動の市職員が帰函

update 2004/11/10 10:23

 新潟県中越地震の被災地で、家屋の応急危険判定活動を行ったきた函館市都市建設部の職員2人がこのほど帰函した。2日間、被災住宅などをつぶさに見た経験から、「構造的には函館の家屋の方が強い」との感想を持つ一方、「家具のレイアウトの見直しと固定」「落下物対策」の重要性をあらためて認識したという。

 同部都市デザイン課の棚池義治さん(52)と都市整備課の佐々木規人さん(42)で、道の要請を受けた市が派遣した。10月31日に出発し、11月1、2両日調査し、同3日に戻ってきた。

 2人1組で活動し、調査先は長岡市の宮路町と十日町。被害が大きかった小千谷市や山古志村の北側に位置する。

 建物全体の様子、基礎部分や壁・屋根の状態を見て、「危険」「要注意」「調査済み」(=危険なし)などの文書を張り、2日間で24戸を回った。いずれも木造住宅で、倒壊した住宅はなかったが、要注意と調査済みが各11戸、危険は2戸だった。

 調査家屋は、戸を外すと大広間になるような、純和風の家が多く、築25―30年。棚池さんは「全体的に壁量が少なかった。凍結深度も取っていて、仕切り壁も多い分、函館の住宅の方が丈夫では」という。

 どの家も屋内の散乱ぶりはすさまじく、佐々木さんは「函館でも落下物への対応が大事」と警戒を促す。棚池さんは「倒れた場合を想定して家具の位置を見直す必要がある」とし、「モルタルの壁を使用している古い住宅の方は、一度チェックした方がいい」という。

 防災担当の市総務課は「落下物や家具の転倒防止など、基本的なことが大切。出前講座などであらためて呼び掛けていきたい」と話している。(吉良 敦)

提供 - 函館新聞社



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