大沼の一世紀の歴史を一冊に。大沼小開校百周年記念誌
update 2004/11/9 10:07
【七飯】開校百周年を迎え、先月、盛大に記念式典を行った大沼小学校(岡田司朗校長)。列席者に配られた開校百周年記念誌「大沼學校」には、資料価値の高い古い写真や歴代卒業生による貴重な証言が満載されており、同小のみならず大沼地区の歴史を振り返る意味でも興味深い仕上がりになっている。
記念誌はA4判、180n。まず目を引くのが冒頭15ページにわたって掲載された、同校や大沼の歴史を伝える写真の数々。当初は七飯町の広報紙などで写真の提供を求めていたが、思うように集まらず、編集委員の小林利夫さん(第46回卒業生)、時田真紀子さん(第55回卒業生)、堀元さん(第57回卒業生)、菅弘明教諭らを中心に、古くからこの地区に住む住民らを直接訪ねて、ようやく集めることができた。
その中でも小林さん自身が提供した、2ページにわたる1931(昭和6)年の大沼公園駅前の写真には、大沼の氷を保管する氷倉庫や、屋形船のための桟橋など、現在では見られなくなった風景が収められており、当時を知る人々の記憶がくっきりと呼び戻される。
また、記念誌のもうひとつの目玉である、卒業生による座談会は、年代別に4回実施し、同校の変遷などを知ることができる。特に第30回(昭和13年)―第39回(同22年)卒業生による回では、戦中戦後の物資不足の時代の中、子どもたちがたくましく生きていく姿が生き生きと語られており、「今の子どもたちへの素晴らしい“生きた教科書”として活用してもらいたい」と小林さんは語る。
時田さん、堀さんは「先輩たちの語る大沼の歴史は、私たちのように長年生まれ育った人間にとっても初めて耳にする新鮮な情報ばかりで驚かされた。古い方言などもあり、座談会を文章に書き起こすのは大変だったが、貴重な証言を記録として残すことができ感無量」と編集作業を振り返る。
足掛け2年の歳月をかけた労作。小林さんは「たくさんの人たちの協力がなければここまで素晴らしい記念誌は完成できなかった。大沼全体の歴史が詰まった貴重な資料として皆さんに喜んでもらいたい」と話している。(小川俊之)
提供 - 函館新聞社
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