11月から完全実施、家畜排せつ物法
update 2004/11/7 14:55
「家畜排せつ物法」が、施行から5年の猶予期間を経て、11月から完全実施となった。家畜ふん尿を適切に処理するため、たい肥舎や簡易施設の設置を義務づけ、排せつ物の野積みなどを禁じている。不可欠な環境対策である一方、施設整備の負担から飼育頭数を減らしたり、廃業に追い込まれたりする農家もいる。渡島・檜山管内では10月末現在、畜産農家の9割が必要な施設を設置し、残りも近く整備を計画。28戸が離農や規模縮小などを決断した。
1999年11月に施行。牛や豚、鶏や馬のふん尿のほか、たい肥や液肥による水質汚濁などの防止が目的で、畜産農家に一定の基準に適したたい肥舎などの設置を義務づけた。11月からは、違反者には最高50万円の罰金が科せられる。
渡島・檜山管内で同法の対象となる農家は561戸。渡島、檜山両支庁農務課の調べでは、このうち533戸(95・0%)は施設整備を済ませるか、コンクリート床に屋根付きのたい肥舎を設けるなどの措置を講じる予定という。残る28戸は離農したり、罰則が適用されない規模にまで経営を縮小したという。
両支庁は昨年9月から、担当職員による指導チームをつくり、各市町村と連携を取りながら、未対応農家への指導を進めてきた。11月以降は、同チームを再編した上で、家畜排せつ物をたい肥として活用するよう呼び掛ける。また、両支庁農務課は、対象農家全戸を巡回調査するという。
道農政部がまとめた道内の家畜ふん尿施設の整備状況(8月末現在)によると、対象農家は1万1115戸で、9366戸が対応済みで、残る1749戸も簡易施設などで応急対応し、来年度以降に施設整備を計画しているという。(金澤匠)
【家畜排せつ物法】
正確には「家畜排せつ物の管理の適正及び利用の促進に関する法律」。ふん尿処理や保管施設の基準を定めた。固形状の家畜排せつ物の管理施設の場合、床をコンクリートなど汚水が浸透しない材質で造り、適当な覆いや側壁を設けなければならない。液体状の場合は、汚水が浸透しない材質で造った貯留槽とすることが義務づけられた。牛10頭、豚100頭、鶏2000羽、馬10頭以上の飼養規模の農家が対象。
提供 - 函館新聞社
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